[pgsql-jp: 33183] Re: PostgreSQL カンファレンスお礼および MySQL のデータが壊れる件

Jun Kuwamura juk @ rccm.co.jp
2004年 6月 9日 (水) 01:28:47 JST


こんにちわ、

かなり出遅れで、技術的なお話の腰をおってしまわないかと
心配しつつも、感覚論というところだけの反応をお許しくだ
さい。

On Mon, 7 Jun 2004, Tatsuo Ishii wrote:

> 以下感覚論.
> 
> 私がMySQLの信頼性に不信感を持っている一番の理由は,MySQLの開発者らが,
> 「トランザクションなんか要らない」とか「ロックの管理はユーザが自分でや
> る」とかDBMSの根幹を否定することを言っていたからなんです.つまり,彼ら
> にとって,DBMSが自律的にデータを守る,という考えがそもそもないのではな
> いんではないか,ということです.そうすると,最近になって急にトランザク
> ションとかACIDとか言い出したのはなぜかというのが謎なんですけどね:-)
> 
> 他にもいい加減な根拠でPostgreSQLバッシングを盛大にやっていたとか,
> MySQLというよりは,MySQL ABには私は良い印象を持っていません.

ビジネス市場に普及させようとするオープンソースソフトウェ
アとビジネスモデルで普及させようとする商用ソフトウェア
という根本的な違いがあるのですが、カスタマの要求に答
えることがビジネスであり、昨日言ったことであってもカス
タマの意見によってアプリケーションの開発ポリシーがかわ
るのであれば、ある意味でカスタマにとっては歓迎すべきこ
とですね。

なになにバッシングのようなキャンペーンは、欧米の商習慣
では、RDBMSに限らずOSや他のアプリケーションでもときど
き耳にすることなどで、ことさら不思議ではないです。私は
そういうやりかたには、もともと嫌悪感があったのですが、
最近そういうことがあってしかたないというふうに思うよう
になりました。マーケティングの一貫ということなのでしょ
う。ただし、その対応策となる落し穴もあるようでやみくも
にデータを持ち出すと、法に触れて大変なことになることも
あるようなので注意は必要です。

ビジネスの世界では、RDBMSと言うとすぐ業務アプリの世界
という言う人もいるのはいたしかたないとしても、どんな
(なんという名前の)アプリケーションで使えるかというこ
とは非常に重要で、そのアプリケーションが使いからそれが
サポートしているDBMSを使うということが第一で、次にその
アプリで使っているDBMSは信頼できるものかということにな
ります。したがって、対応アプリをできるだけ増やすことも
マーケティングのひとつであり、いずれにおいても MySQL
がPostgreSQLをしのいでいることは確かなようです。

ビジネスの枠組の中ではオープンソースソフトウェアも一つ
の商品でしかありませんので、普及すなわちシェア拡大のた
めには企業が必要です。すなわち、企業の持つ企画力やマー
ケティング能力が開発と同じくらい(あるいはそれ以上に)
大切で、そのノウハウをもっているのは、その業界に詳しい
企業なのです。また、商品の購入にあたっては、売り主の顔
がはっきりと見えるということがひとつの信頼感につながり
ます。オープンソースソフトウェア商品には、この役割を演
ずる企業の存在というのも必要です。

もとは、グラフィカルな(さらにはマルチメディア)データ
を格納するために開発されたPostgresではあっても、今とな
っては、PostgreSQLを使ってそうしたものを開発してくださ
いというカスタマよりは、そうしたアプリがあるので使って
みますというカスタマのほうがはるかに多いはずです。しか
し、もともと私がPostgreSQLを使い始めた理由が、単にアプ
リケーションを開発することが目的で、そのためにフリーで
あることが重要であったということを考えれば、RDBMSを組み
込んだ商品を開発する際に、その商品が売りきりでないかぎ
り、ライセンスが将来一企業の思惑に支配されるソフトウェ
アを使うことは、極めて不安であることに違いはありません。

以上、あくまでも感覚論ですので、思い違いも甚だしいとお
叱りなぞいただければと思います。

=桑村 潤
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  Jun Kuwamura
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